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納付要件は重要

悩む男性

社会的治癒による請求も一つの方法

うつ病の症状が安定していて、通院を中断している場合には、社会的治癒という請求方法を活用する方法を検討できます。障害年金の申請では、初診日の特定をすることは重要ですが、うつ病のように、さまざまな症状を伴い、消失、再発を繰り返すような病気の場合、社会的治癒として、初診日が変更になる場合もあります。初診日から長期間経過して、医療機関にかかることなく、社会復帰している場合には、再発後に通院した病院が、初診日として認められるケースが多いです。たとえば、21歳から22歳の時に、うつ病で精神科を受診したものの、保険料を納付していなかったため、この日を初診日にしてしまうと、申請できないという経験をしたとします。その場合、後に症状は落ち着き、会社に就職して厚生年金に加入し、病気もなく普通に仕事や日常生活も送った期間があるという人もでてきます。しかし、30歳でうつ病が再発し、再び精神科を受診したとなれば、この時点では、保険料納付要件を満たすことになるわけです。社会的治癒が認められれば、30歳が初診日となり、たとえ、最初の時点で受給できなくても、その後、未納なく支払いをしていれば、以前は保険料を滞納していた人でも、可能性が出てきます。ちなみに、医学的治癒と社会的治癒は異なります。再発ですから、医学的治癒に該当しないわけです。しかし、社会的治癒は、社会復帰をし、保険料を一定期間納付して社会的責任を果たしてきた人には、再発後に同じ病気にかかったとしても、新たに病気にかかったことにするという考え方です。本来の初診日と再発した日が何年空いていればいいかは、うつ病の場合は、5年程度とされています。この方法は、初診日の特定ができなかった人で、再発した場合にも検討すべきものになります。
うつ病の発症により、障害年金を受給するケースも年々、増えてきています。社会的治癒という請求方法をみてもわかるように、この制度は、うつ病により申請できる公的制度の中でも、手続きが最も複雑です。社会保険という仕組みを取り入れているため、被保険者は、保険者に対して保険料を納めます。そして、障害という保険事故が発生した時に、被保険者は、保険者に対して、それまでかけていた保険料をいかして、障害年金という権利を得ます。生活保護が、100パーセント税金から拠出される公的扶助という点から比較すると、社会保障制度であるため、保険料を納めていた人が、障害という一定の状態になったときには、誰に遠慮することもなく、堂々と主張できる権利です。このような制度であるからこそ、受給資格を得るためには、保険料納付要件が設けられています。実際に、障害年金の受給要件の中で、この保険料納付要件は最も大事です。初診日の前日からの納付状況をみられるので、後で慌てて対応しても手遅れになることがしばしばあります。障害年金の請求に長けたプロフェッショナルな社労士に依頼しても、その間に未納があるとどうにもならないこともあるので注意が必要です。社会的治癒という請求方法は、通常の請求では需給が難しい場合の一つの引き出しと考えておきましょう。できれば、事前に、免除申請や追納などを活用して、日ごろから自分の年金保険料の納付記録をきれいにしておくことが、まさかの時に、自分と家族を守ることができます。未納一か月が命取りになることもあるので、転職や休職の際には、まず社会保険料の空白をつくらないようにしておくことが重要です。